手根管症候群の診断・検査

手根管症候群かなと思ったら

手根管症候群は、手の病気ですから、手の診療と治療を専門的に行う手外科を受診することをおすすめします。整形外科や神経内科でも手根管症候群の診断を受けられますが、原因を突き止めて適切な治療を受けるには専門医による診療が必要です。

手のしびれと手根管症候群

手のしびれの原因となる手根管症候群ですが、日常の診療でこの疾患の診断を受けられない方がしばしば見受けられます。ご自身での判断材料とするため、手根管症候群に見られる手のしびれの特徴を述べたいと思います。科学的、統計学的な解析は行っていませんのでご了承ください。

  • 手指に限るしびれ
  • 早朝や深夜に強いしびれ
  • 小指はしびれない
  • 握っている・手指を使っているっているとしびれが増す
  • 両手指のしびれ
  • 首を反らしても手や腕の痛みしびれが増さない
  • 財布の小銭が取り出しにくい

以上のうち、3項目以上が該当する場合、手根管症候群に詳しい医師に受診することをお勧めします。

手のしびれについて

手根管症候群診断の
ポイント

手根管症候群診断のポイント手根管症候群では、親指から薬指の中指側に限定したしびれと知覚低下が大きな特徴となっています。受診される方は手が全体的にしびれて感覚が鈍いと感じられるケースがほとんどですが、きちんと検査を行ってみると小指や手の甲にしびれがないことがわかります。薬指に関しては、小指側の症状が軽いという特徴も持っています。また、親指の付け根の筋肉の状態も確認します。
当院では診断の補助として、「神経伝送速度検査」を行っております。

神経伝導速度検査

手根管症候群の診断にとても有効な検査です。当院では、神経筋機能検査装置を使って診断を行っています。この検査の場合、手根管症候群の患者様は、電気の伝わりが鈍く、反応が遅れてしまうのが特徴です。検査結果の記録を評価して神経や筋肉の疾患について判断します。
また、治療前の診断だけでなく、治療や手術後も、この検査を行うことで、神経機能が改善しているか診断することができます。

その他の診断方法

上記検査以外にも、簡易的な検査もございます。

手根管圧迫テスト

手首の真ん中あたりにある手根管部分を指で軽く圧迫して行う検査です。30秒以内に親指から薬指にかけてのしびれや痛みが増したら、手根管圧迫テストは陽性です。陽性の場合、手根管症候群の可能性が高いと言えます。

ティネル徴候

手首の真ん中あたりにある手根管部分を刺激しますが、指や診察用のハンマーで軽くたたいて調べます。親指から薬指にかけての指先にピリピリとしたしびれが走った場合、手根管症候群の可能性があります。

ファーレン徴候

胸の前で手関節を曲げ、両手の甲を合わせた状態をキープします。約1分間以内にしびれが増してきたらファーレン徴候陽性です。この場合も手根管症候群の可能性が高いと言えます。

治療・手術について