いわゆる四十肩、五十肩(肩関節周囲炎)は、我慢していると自然に治るとお考えの人もいらっしゃるようですが、肩の動きが制限されている肩関節周囲炎では、症状が出始めた頃から積極的に肩を動かしていかないと肩が思うように動かせないままになってしまいます。
当院では、こうした四十肩、五十肩(肩関節周囲炎)で悩んでいる患者様に対し理学療法士、作業療法士などのセラピストによる運動器リハビリテーションによる治療を行っています。
しかし、肩の動きが制限されている症状が数カ月続くと、上にあげた運動器リハビリテーションを行っても動きの改善がなかなか得られないことがあります。
当院ではこうした症状の方に対して「授動術」というメスで切らない手術を外来で行っています。この手術は局所麻酔を行った後に、「肩関節の関節包(関節を包んでいる袋)」のはり付いて硬くなっているところを「はがして動かす」という手技です。
以下は2020年1月から、2020年12月の間に、当院で授動術を実施したうち、授動術前と授動術後の経過のデータが揃った22人の患者様のデータをもとにしたグラフです。
図表の様に術後に運動器リハビリテーションを行った3~6か月後のデータでは、術前より明らかに肩の動きが改善し、腕が上がりやすく、また背中に腕が回りやすくなっています。
当院では、この方法で今後とも四十肩、五十肩で肩の動きが悪くお困りの方を治療していきます。